子の成長・天皇家のお宮参り 

お宮参り11月に、秋篠宮家の第三子・悠仁親王が、皇居内の賢所皇霊殿神殿にお参りする「賢所皇霊殿神殿に謁するの儀」が行なわれます。

いわゆる、一般の「お宮参り」です。
ご誕生から、もう50日が経ったのですね。

平安時代には、誕生後50日目と100日目には、祝宴が行なわれました。
五十日(いか)とか百日(ももか)と呼ばれるものです。

『紫式部日記』には、

御五十日は霜月のついたちの日。
例の人々のしたててのぼりつどひたる御前の有樣、繪にかきたる物合(ものあはせ)の所にぞ、いとよう似て侍りし。御帳の東の御座のきはに、御几帳を奧の御障子より廂の柱までひまもあらせず立てきりて、南おもてに御前の物はまゐりすゑたり。
西によりて大宮のおもの、例の沈(ぢん)の折敷(をしき) 何くれの臺なりけむかし。そなたのことは見ず。御まかなひ宰相の君讚岐、とりぐ女房も釵子 元結などしたり。若宮の御まかなひは、大納言の君、ひんがしによりてまゐりすゑたり。
小さき御臺 御皿ども 御箸の臺 洲濱なども、ひひな遊びの具と見ゆ。それよりひんがしの間の廂の御簾すこしあげて、辨の内侍 中務の命婦 小中將の君など、さべいかぎりぞ取り次ぎつつまゐる。奧にゐてくはしうは見侍らず。


とあり、幼児の前に小さいお膳・お皿・お箸台・洲浜などを並べ、餅を供したものです。

この餅は、身分の上下に関わらず、市の餅を用いることとなっており、15日までは東の市、16日以降は西の市の餅を、だいたい50果求め、これに摩粉と漿煎を混ぜて供することとなっています。


『紫式部日記』には、50日の祝宴に、めのとにいだかれた若宮の姿が描かれています。

こよひ少輔のめのと色ゆるさる。ここしきさまうちしたり。宮いだき奉れり。
御帳のうちにて、殿のうへいだきうつし奉り給ひて、ゐざりいでさせ給へり。火影の御さまけはひことにめでたし。赤いろの唐の御衣 地摺の御裳うるはしくさうぞき給へるも、かたじけなくもあはれに見ゆ。大宮は葡萄染の五重の御衣、蘇芳の御小袿奉れり。殿、もちひはまゐり給ふ。


現在は、50日を過ぎたころに行なわれる行事として、お宮参りが定着しました。

お宮参りは、その土地の守り神である産土神(うぶすながみ)に赤ちゃんの誕生を報告し、健やかな成長を願う行事です。
昔は、氏神さまに参拝して新しい氏子(うじこ)として神さまの祝福をうける行事とお産の忌明けの儀式の意味合いもありましたが、皇室では、皇祖神のいらっしゃる三殿に向かいます。


三殿とは、宮中祭祀の行なわれる場所で、皇居内吹上御苑の東南にある、賢所、皇霊殿、神殿の総称です。
皇室の祭祀は主としてここと各地の山陵で行われています。

賢所は、明治以前の京都御所にもありましたが、皇霊殿と神殿は明治維新以降の宮中祭祀制度の再編にもっとも尊い御殿とされ、かつては恐れ畏(かしこ)むの意味で「威所」「恐所」とも書かれました。
明治以前は天皇のお側近く仕えた内侍が奉仕したため、内侍所と呼ばれ、また、あるいは温明殿(うんめいでん)、春興殿(しゅんこうでん)という名も残っています。

賢所の次に位置づけられる皇霊殿は、神武天皇から昭和天皇に至る歴代天皇、皇后、皇族方をお祀りしています。

神殿には、八神、天神地祇が祀られています。


悠仁親王はこの三殿にお参りすることになるわけです。



宮中で祭祀が行なわれる由来は、『日本書紀』に記されています。

天照大神、手に寶鏡を持ちたまひて、天忍穗耳尊に授けて、祝きて曰はく、「吾が兒、此の寶鏡を視まさむこと、當に吾を視るがごとくすべし。ともに床(ゆか)を同くし殿を共にして、齋鏡(いはひのかがみ)とすべし」とのたまふ。


「この宝鏡を私(=天照大神)だと思って宮中に祀るように」という意味であり、これが鏡を奉斎する賢所の起源です。


鏡をご神体にする神社は多いですが、そのルーツがここにあります。
そのため神社には、鏡が多くあります。
京都・北野天満宮には、多くの鏡が奉納されており、鏡を神聖視するあり方を垣間見ることができます。



賢所皇霊殿神殿に謁するの儀」を終えると、悠仁親王は紀子妃に抱かれて御所を訪ね、天皇、皇后両陛下にあいさつされます。

この辺りの中継があるとうれしいのですが。



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※画像は以下よりお借りしました
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